買い手と売り手のよりよい関係を築いていきたい【Socket様インタビュー】

2016/05/30
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Socket様インタビュー


国内のウェブ接客ツールでも大きなシェアを誇る「Flipdesk」。同ツールを手がける株式会社Socketの代表取締役である安藤 祐輔様とプロダクトマネージャーの安達 隆様(以下、敬称略)にお話をうかがった。


はじまりはチャットツールから

椎葉:ウェブ接客ツール、最近はよく目にするようになりましたね。御社の「Flipdesk」は構想段階から、現在のような形になるイメージはあったのでしょうか?

Socket 代表取締役 安藤 祐輔様

Socket 代表取締役 安藤 祐輔様

安藤:Flipdeskは立ち上げ当初──正式にリリースする前ですけれど、チャットツールでした。私が中国で事業に関わっていたことも影響があると思います。

椎葉:中国ではチャットでのカスタマーサポートがもはや常識になっていますよね。

安藤:はい。どこのサイトでも導入されている、というイメージですね。立ち上げ当時、日本ではまだチャット文化が浸透していなかったので、チャレンジしてみるのもおもしろいかも、と思って開発、2014年5月ごろにチャットツールとして東急ハンズ様にテスト導入していただきました。結果的にCVRは上がりましたし、ユーザーにアンケートも実施して評価も上々だったのですが、同時にチャットに対して労力がかかりすぎるというフィードバックをいただきました。

椎葉:一長一短ということですか。サービスとしてはさらにもう一歩、というところですね。

安藤:はい。中国とは原価構造も文化も違いますからね。もっと日本国内にフィットしたツールにしようということで、チャットは機能のひとつとして残しつつも、よりパフォーマンスの高いサービスになるように機能を追加するなど改善を進めたのです。正式リリースは2014年9月でした。

ターゲットにフィットする接客でCVRアップ

椎葉: Flipdeskは、具体的にどんなことができるサービスですか?

Flipdeskとは

Flipdeskとは
(※画像クリックで拡大)

安達:サイトにタグを埋め込むだけで、それぞれのユーザーに最適なアクションを行うことができる、スマートフォンサイトのCVRを上げるためのサービスです。アクションとしては、チャット、新商品などの案内をポップアップ表示する、クーポンを配信する、などがあります。専門的な知識がなくても使用できるような設計になっています。

椎葉:タグからの情報のほかにも、「年齢」「性別」など属性情報をもとにしたターゲティングはできるのですか?

Socket プロダクトマネージャー 安達 隆様

Socket プロダクトマネージャー 安達 隆様

安達:はい、外部データとの連携も可能です。

安藤:ターゲティングは大きく「行動ターゲティング」と「属性ターゲティング」に分けられると思いますが、結果を見てみると広告と同じで行動ターゲティングのほうが効果が高い傾向にありますね。
またFlipdeskでは、A/Bテストの実施も可能です。各種案内やクーポンを表示させる/させない、を分けることで導入効果のテストができ、またそれらを表示させるグループのなかでも、クリエイティブやオファー内容のパターンを変えてシナリオの最適化ができます。

椎葉:導入されているのは、どのような業界が多いのでしょうか。

安藤:主にEC業界です。そのなかでも、アパレル関連が半数ほどを占めています。目的買いではなくて、趣味嗜好が反映されるものにフィットしやすいのかなと考えています。

椎葉:明確に「これが欲しい」と思ってサイトを訪れる商材よりは、さまざまな商品を見ながら選ぶような商材ということですね。そこだけ見ると、レコメンドエンジンに似ていますね。

安達:そうですね。実際に外部のレコメンドサービスと連携もしています。

椎葉:レコメンドエンジン、各種データベース……、いろいろなものとつなげることができそうですね。機能を拡張していくと、MAツールのようにも使えそうですが、いかがでしょうか。

安藤:ツールのカバー範囲をどこまで拡げるか、というのは社内でもよく話題になるのですが「シンプルなつくりでどんどんPDCAを回せるもの」という、そもそもの設計思想は大切にしたいので、MAツールになりかわる、というよりは組み合わせて使いたいというイメージです。
ただ、Flipdeskは細かくカスタマージャーニーをつくりこむなど、導入前の準備に時間をかけてもらうものというよりは、まずは導入して使ってみて、結果を蓄積しながらどんどん最適化を進めていくものなので、MAツールよりもより手軽に利用していただけるかと思います。

ユーザーを「育てる」「刈り取る」を両方カバーできる設計

椎葉:実際にサイトに導入すると、どのくらいの効果があるものでしょうか。

安藤:au WALLET Marketではサイト全体のCVRが173%改善、「Ailand(アイランド)」というアパレルECサイトでは、CVRが132%改善、平均購入単価120%改善するなど、CVRや顧客単価、離脱率に効果が出ていますね。

Flipdeskの平均的な効果

Flipdeskの平均的な効果
(※画像クリックで拡大)

椎葉:それはなかなかインパクトのある数字ですね。

安藤:ECサイトでは、ユーザーを「育てる施策」と「刈り取る施策」の両輪が同時にうまく回らないといけないわけですが、そのあたりをカバーできる設計にしています。離脱を防ぐためにチャットなどでコミュニケーションをとる、コンバージョンを狙って在庫数のアラートを出すなどの工夫ができます。効果も数字の通り実証されてきています。

スペースシップ代表 椎葉 宏

スペースシップ代表 椎葉 宏

椎葉:お話を聞いていて、私が以前から携わっているメールマーケティングに近いところがあるなと感じました。メールも、ユーザーを育てる役割と刈り取る役割、両方を担わなければいけないものです。ただ、違うのは、ユーザーにリーチするタイミング。メールは配信時にユーザーが何をしているかわからないですけれど、ウェブ接客ツールではユーザーはサイト上にいるので、シーンをかなり限定することができますね。

安藤:はい。描くシナリオは、主にサイトに来ていただいてからのものでいいのですが、一方でサイトに来てもらわないことにはツールの真価を発揮できないところがありますね。それこそ、メールと組み合わせてうまく運用できるとよいのかなと思います。

買い手と売り手が適切な関係を築けるサービスを提供していきたい

椎葉:先ほどEC業界での導入が多いというお話が出ましたが、そのほかの業界はいかがでしょうか。

安藤:人材、金融などほかの業界でもご導入いただいています。現在、導入数は400社ほどです。

椎葉:競合他社のツールもありますし、「ウェブ接客ツール業界」はあっと言う間にかなりの規模になりましたね! どうりでよく目にするわけです。今後は、どんな展開を予定していますか?

安達:今提供しているFlipdeskもそうなのですが、会社の大きなテーマとして「買い手と売り手のコミュニケーションを最適化する」というものがあります。買い手と売り手の信頼関係を持続的に取り持っていく、というのでしょうか。
今後もその領域でどんなことができるかを考えていきたいと思っています。例えば広告などは今、売り手が買い手に一方的にアピールしているような図式になっていて、買い手からするとスパムっぽく感じるものもあります。それはよい関係とは言えませんし、長期的に見て淘汰されていくと思うのです。
そのあたりをうまくサポートして、買い手と売り手が適切な関係、長く続く関係を築けるようになればいいなと思っています。

安藤:現在提供しているのはウェブ接客ツールですが、それがすべてではないということですね。ツールという形でインフラを提供するのもサービスのひとつですし、買い手と売り手がよい関係を築いていくための考え方、仕組みをサービスにして、提案していきたいですね。

椎葉:昨今のウェブ接客ツールの盛り上がりを見てお話を伺いに来ましたが、もうその先を見据えているのですね。今後も新しいサービスを楽しみにしています。本日はありがとうございました。

株式会社Socket
http://socket.co.jp/