新しいギフトの文化を創出して、人と人、人と企業のコミュニケーションをより豊かなものに【ギフティ様インタビュー】

2016/03/30
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ギフティ様インタビュー


これから大きな成長が見込まれる国内のeギフト市場。その市場を牽引する存在が株式会社ギフティだ。同社が提供するサービスについて、開発の経緯から今後の展望まで、代表取締役の太田 睦様とマネージャーの大曽根 淳様(以下、敬称略)にお話をうかがった。


「Send a small Thank you」のタネ

椎葉:今回は過去の職場のつながりで御社のサービスを知り、お話をうかがいに来ました。私はアクセンチュア出身なのですが、太田さんもアクセンチュアで働かれていたのですよね。

ギフティ 代表取締役 太田 睦様

ギフティ 代表取締役 太田 睦様

太田:はい。学生時代から「起業したい」という思いはあったものの、なかなかそのためのネタがなくて。ならば、さまざまな業界に関わって視野を広げようと思い、アクセンチュアに入社しました。文系学部出身なのですが、コンサルタントとしてではなくて、エンジニアとして働いていました。将来起業してプロダクトをつくるときに、つくる側の視点を持っておきたいと考えていたからです。

椎葉:まさに今、その経験が活かされているということですね。では御社のサービス「giftee」を立ち上げたきっかけを教えてください。

太田:大学生のころ、当時まだSNSだったGREEで、「友達の誕生日に寄せ書きを書こう」というコンテンツが流行っていました。僕はそれがけっこう好きで、よく友達の誕生日に寄せ書きをし、さらにリアルな場で飲み会を開くなどして、お祝いをしたものです。ところが社会人になって忙しくなり、なかなか友達を祝う機会がなくなってしまいました。
そのうちFacebookが流行りだし、相変わらず友達の誕生日にはネット上で「おめでとう」とテキストを打ってお祝いをしていました。みなさんもFacebookから「今日は○○さんの誕生日です」と通知を受け取られていますよね。

椎葉:はい。ちょっとしたことですけれど、やはりお祝いの言葉をもらうとうれしいものです。

太田:そうですよね。ただ、リアルでお祝いできないことにフラストレーションを感じていて……。そんなときに、ネット上でテキストより少しだけリッチで想いが伝わる贈りものってなんだろう、と考えたのがgiftee開発のきっかけです。「Send a small Thank you」というメッセージを掲げて、日頃の感謝の気持ちやお祝いの気持ちを、ちょっとしたギフトにして簡単に贈ることができたらいいなと考えたのです。

デジタルチケットを「もぎる」ことでCRMへのデータ活用が可能

太田:その後、デジタルガレージの「Open Network Lab」を経て、2010年8月に会社を立ち上げました。gifteeをローンチしたのは、翌2011年の3月です。

椎葉:gifteeは、具体的にどんなサービスですか?

太田:オンラインでデジタルチケットを購入して贈りものができるサービスで、一般的には「eギフトサービス」と呼ばれるものです。2015年12月時点での会員数は40万人ほどで、コーヒーショップやコンビニエンスストア、小売、サービスなど、さまざまなブランドと提携していています。
利用の手順は簡単で、まずデジタルチケットを購入し、発行されるURLを相手に送ります。送られた方は、URLをクリックしてスマートフォンなどの画面にチケットを表示させ、それぞれの店舗で商品と引き換えるだけです。

デジタルチケットのイメージ

デジタルチケットのイメージ

(※画像クリックで拡大)

椎葉:気軽に利用できそうですね。ただ、商品を提供する店舗側では、チケットが何回も利用できないようにしないといけないと思いますが、どのように処理しているのでしょうか。

太田:店舗側は専用端末や、もともと店舗にあるPOSシステムを使用して表示されたチケットを処理します。2015年からは電子スタンプも導入していて、これはPOSシステムを必要としません。われわれは、デジタルチケットを処理することを「消込(けしこみ)」と呼んでいます。紙のチケットでいうところの「もぎり」ですね。

太田:gifteeはもともとC2C向けサービスとして開発されましたが、「消込」の技術は、チケットをもぎるだけではなく取得したデータをCRMにも活用できるため、最近ではB2C領域でも多く利用されています。

C2Cのみならず、B2Cでの需要も広がっている

太田:B2Cの領域に関しては、特に積極的に動いたわけではなかったのですが、サービスをローンチしてしばらくすると、さまざまな企業からお問い合わせをいただくようになりました。
顧客へのインセンティブとしてクオカードや図書カード、ギフト券などを送っている企業が多いと思いますが、形のあるものなので送る際に送料がかかりますし、それだけで金銭と同等の価値があるので管理も大変です。gifteeですとそのコストを削減できることから声をかけていただくことが増え、現在はB2C領域でもサービスを提供しています。

椎葉:高額の商品を扱う業種や、形のないものを商品にしている分野に向いていそうですね。

左が「電子スタンプ」。使用する人のスマートフォン画面に直接スタンプを押すだけでチケットを処理できる。

左が「電子スタンプ」。使用する人のスマートフォン画面に直接スタンプを押すだけでチケットを処理できる。

太田:まさにそうです。現在B2C領域では自動車業界、住宅業界、不動産業界、保険業界などを中心に利用されています。こういった業界では、顧客のコンバージョンまでに時間がかかり、途中にいくつかのマイルストーンがあります。そのどこかの地点に到達したところでインセンティブを配布する、というふうにご利用いただいています。
デジタルチケットにマスクをした状態のものを配布し、店舗に設置した電子スタンプを押すことでマスクが外れてチケットが利用できるようになるなど、来店促進などにもご活用いただけます。

ギフティ 大曽根 淳様

ギフティ 大曽根 淳様

大曽根:日々、企業からの問い合わせはとても増えてきていて「インセンティブとして使いたい」「店舗への送客のために『消込』の技術だけでも使いたい」などのリクエストをいただいています。僕たちの一番の重点はC2C領域に置いていますが、その市場を広めるという意味でも、現在はB2C領域に力を入れています。

流通量を増やして、市場全体の拡大を目指す

太田:実はこの市場、アメリカではすでに年間1兆円規模のものなのです。一方、日本国内では数十億円程度です。同じアジアでも韓国では1,000億円程度の市場に成長していますが、韓国も最初からC2C領域でギフトを贈り合うことが流行ったわけではありません。
韓国でこの市場がブレークスルーしたきっかけと言われているのが、飲料メーカーが新商品のサンプリングのためにeギフトの仕組みを利用したことです。それまでは、サンプリング希望者に住所を聞いて商品を送っていましたが、この取り組みではメールでデジタルチケットを配って、近くのコンビニエンスストアで商品を引き換えられるようにしたそうです。これが話題になり、eギフトの認知が進んだところからC2C領域でも急激に数字が伸びていったようです。

スペースシップ代表 椎葉 宏

スペースシップ代表 椎葉 宏

椎葉:「eギフト」、「デジタルチケット」と聞くと難しそうだと感じる人も多いかもしれませんが、ユーザーが実際に体験することで、とても簡単に利用することができるとわかったのですね。

太田:ギフトをもらった人が、今度はギフトを贈る側になるという良質な連鎖が起きるのが、このサービスの強いところです。ユーザーが広告塔になってくれるのは非常に心強いですね。
同様に、サービスを導入してくださる企業も、影響力のある企業が導入すると一気に同じ業界内で広がりをみせることがあります。実はローンチした直後は導入例がないものですから、かなり苦戦したという歴史もあったのですが……。

ギフティ社の今後の展望

ギフティ社の今後の展望

(※画像クリックで拡大)

椎葉:今はまさに、国内の市場が拡大しつつある段階なのですね。

太田:はい。国内での認知を広めるという意味でも、またすでにサービスを導入していただいている企業へ、より大きな価値を提供するという意味でも、現在はデジタルチケットの流通量を増やすことに注力しています。
僕たちはeギフトサービスを提供するとともに、デジタルチケットの卸し業も行っていて、卸し先のひとつとして自社サイトの「ギフティ」があります。そのほかにも「LINEギフト」など、デジタルチケットを扱っているサイトにチケットを卸しています。ギフティからみると、そういったサイトは競合であるわけですが、積極的に開拓を行っています。
流通量を増やすことで、eギフトを導入していただいているコンテンツ・パートナーにも、ギフトを流通させているディストリビューション・パートナーにも、そしてギフトを手にするユーザーにもポジティブな効果が生まれます。
そのようにして市場が拡大していくことで、ギフト文化を醸成させていきたいと考えています。

椎葉:お話を聞きながら、ギフト文化が国内で盛り上がっていくところに立ち会えたような気がして、とても楽しかったです。個人的にも、ぜひ利用してみたいと感じました。本日は、どうもありがとうございました。

株式会社ギフティ
https://giftee.co/