マーケティングに不可欠な存在となったSNS。最適な選択と特性を活かした運用が課題

――2016年版 SNS利用の経年変化・利用状況まとめ

2016/12/13
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2004年にリリースされたmixiから始まる国内でのSNSの歴史は、LINE、Twitter、Facebook、Instagramなどの登場と隆盛により、いまや群雄割拠の様相を呈しており、利用者数も拡大の一途をたどっている。企業がマーケティングを進める上で、すでに不可欠な存在となったSNS。
本レポートでは、最近発表された調査データから日本国内におけるSNSの利用状況をまとめ、今後のマーケティング戦略に活用する上で、どのようなポイントに気を付けるべきかを考察するとともに、どのような可能性があるかを模索したい。

幅広い世代に浸透し、コミュ二ケーションインフラとしての地位を獲得したSNS

日本におけるSNS利用者数

(※画像クリックで拡大)

・【出典】2016年度 SNS利用動向に関する調査
(ICT総研 2016/8/16発表)

http://ictr.co.jp/report/20160816.html

・4,251人のアンケート対象者のうち約8割の人がSNSや通話・メールアプリを利用していると回答。

SNSの利用者、利用率ともに毎年右肩上がりの着実な伸びをみせているが、細かく分析していくと、2016年末を境に、利用者数、利用率ともに伸び率はこれまでの約半分となり、今後は穏やかに伸長していくと予想される。

【2012 年末~2015年末】
利用者数・毎年平均476.75万人増加 / 利用率・毎年平均4.325%増加
【2016年末~2018年末(予測)】
利用者数・毎年平均217万人増加 / 利用率・毎年平均2.7%増加

かつては若者の利用が目立っていたSNSだが、2016年において幅広い世代に浸透し、コミュ二ケーションインフラの役割を担うようになったと言っていいだろう。
企業にとってSNSは、いまやマーケティングを戦略立案する際に決して無視することはできないメディア、プラットフォームとなった。

LINEとInstagramの利用率が向上。他は鈍化傾向

 主なSNSの利用率

(※画像クリックで拡大)

・【出典】2016年度 SNS利用動向に関する調査
( ICT総研 2016/8/16発表)

http://ictr.co.jp/report/20160816.html

・【出典】2015年度 SNS利用動向に関する調査
( ICT総研 2015/7/29発表)

http://ictr.co.jp/report/20150729000088-2.html

・2016年において全回答者の中で最も利用率が高かったのはLINEで72.1%。
・2015年との比較では、LINEとInstagramの利用率が向上しているのに対して、その他のSNSの利用率は伸び悩んでいる。Instagramの利用率は昨年の11.4%から倍増しており、今後も引き続き成長が見込まれる。

SNSの代表格といえば、LINE、Twitter、Facebookを挙げる人が多いだろうが、それを裏付けるように、この3つの利用率は上位をキープしている。特にLINEの利用率の高さは際立っており、電話やメールに代わるインフラになったといってもいいだろう。
注目したいのは、利用率に大きな伸びを示したInstagram。写真や動画に特化したプラットフォームであるため、業種によってビジネス活用に向き不向きがあるが、2016年9月にビジネスユーザー向け機能が追加されるなど、利用率の高いLINEと共に、今後どう活用するのかがポイントになると考えられる。

年代別増加傾向を把握し、自社の事業にあった選択を

SNSの年代別利用率

(※画像クリックで拡大)

・【出典】総務省「社会課題解決のための新たなICTサービス・技術への人々の意識に関する調査研究」(平成27年)2015年
http://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/h27/html/nc242220.html

・全般に年代が高くなるほど利用率が下がる傾向にあるが、Facebookについては20代以下で約5割、30代と40代で4割弱、60代以上でも2割以上の人が利用しており、年代を問わず浸透している。
・これに対し、LINEの利用率は年代によって大きな差があり、20代以下では6割以上の人が利用しているのに対し、60代以上で1割未満の人しか利用していない。

それぞれのSNSにより年代別利用率が大きく異なるため、自社の事業でターゲットとする年代を意識してSNSを活用することがマーケティングの成否を分けるポイントとなる。
たとえば、LINEは利用率の高い若年層をターゲットにすると効果的であるし、年代問わず浸透しているFacebookは、ユーザーの年齢層に偏りが少ないため、幅広いリーチができる。
さらにSNSごとのサービスの特徴も把握したうえで、コミュニケーションプランを立てることが重要だ。たとえば、LINEは、LINE ビジネスコネクトの登場により、特定ユーザーに対して最適なタイミングで最適な情報を提供することができるようになった。Facebookは広告のターゲットを条件で絞り込むことができるため、コストを抑えつつ目的のオーディエンスへのリーチが確保できるなど、SNSでもそれぞれに特徴や強みがあり、マーケティングへの活用方法が異なってくる。

男女別で利用者数に差。Instagramは女性の伸び率が大きく増加

Twitter、Instagramアプリ性年代別利用者数対昨年比較

(※画像クリックで拡大)

・【出典】「Instagram」アプリの利用者数が2016年4月に1,000万人を突破
~ニールセン、スマートフォンアプリの利用動向を発表~
(ニールセン 2016/05/31)

http://www.netratings.co.jp/news_release/2016/05/Newsrelease20160531.html

・SNSアプリとして継続的に利用者数が増加しているTwitterとInstagramに注目し、性年代別の利用者数を昨年と比較すると、Twitterは、35歳以上の増加率が高く、特に35-49歳女性と50歳以上の男性利用者が増加したことが、全体の利用者数増加に寄与している。
・Instagramは、もともと利用者数の多かった34歳以下の女性に加えて、35~49歳女性の利用者も増加。また、Twitter同様、50歳以上の男性利用者も大きく増加している。

TwitterとInstagramに注目した性別による利用率においても、年代別と同様、特徴が表れている。
男女共に50歳以上の伸び率が高くなっているのは、他の年齢層より遅れてスマートフォンを利用し始めたことや、子ども世代から伝え聞いたことなどが要因かもしれない。
Instagramは、ビジュアル面に特化しており、ビジネスではアパレルや美容、飲料・食品業界を中心に、写真を利用したプロモーションによる投稿が特徴。ファッションアイコン的なインフルエンサーの投稿が活発化したこともあり、流行やファッションに乗り遅れまいとする18歳~49歳の女性の伸び率が高くなったと予想できる。

各SNSの性別ごとの利用率や使われ方を押さえ、今後の動向も予測しながら、自社の事業や顧客層を踏まえて対策を進めていきたい。

SNSによって異なるサービスイメージ。共通して高いのは「退屈しのぎ」による利用

各SNS利用者の利用サービスに対するイメージ

(※画像クリックで拡大)

・【出典】若年層スマホユーザーは日常的にSNSで情報収集
~ニールセン、SNSの最新利用動向を発表~
(ニールセン 2016/08/31)

http://www.netratings.co.jp/news_release/2016/08/Newsrelease20160831.html

・Facebook、Twitter、Instagramの3サービスともに「退屈しのぎになる」の割合が最も高い。
・Instagramは「センスの良い写真や動画が見られる」などビジュアル面のイメージが他の2つのサービスと比べて高くなっている。
・Twitterでは、「世の中のできごとを知ることができる」など情報収集面のイメージが高く、利用者はサービスにより入手しやすい情報が違うという認識で利用している。
・Facebookには突出したイメージは見られないが、Facebook利用者の中では「生活に欠かせない」というイメージが上位にきている。

FacebookやTwitterユーザーは情報を求めているのに対し、Instagramユーザーはファッションやライフスタイルなど、自分に興味のあるものを見て参考にするという特徴がある。
注目したいのはFacebook、Twitter、Instagramのすべてにもっとも高い割合を占めた「退屈しのぎになる」というイメージ。たしかに、電車内など移動中にスマートフォンでSNSを利用しているのを目にすることが多くなった。TV視聴中や移動中に交通広告などと並行して見られることも多いと考えられるため、これらを連動したマーケティング活動も検討したい。

事業にあったSNSの適切な選択と各SNSの特徴を活かした使い分けを

企業にとってSNSはすでに重要な顧客接点となっており、自社の事業やターゲット層にあった適切なSNSの選択、各SNSの特徴を活かした使い分けが必須であるといえる。さらに商品機能や価格で差異化を図ることが困難となった現在、企業は単にアカウントのユーザー数を増やすのではなく、情報を確実に届かせる工夫や興味を喚起する投稿内容によってファン数を増やし、自社にとって優良な顧客を獲得する手段としても活用したい。
また、SNSの隆盛によりますます強くなっているユーザーの発信力を活かすべく、ユーザーに拡散してもらいやすいコンテンツの開発や、ユーザーどうしのコミュニケーションを活性化させるようなマーケティング施策の企画・実施などを行うことも、企業価値を高めるための大切な活動になってくるだろう。

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