コーセーの通販ブランド「米肌」における顧客コミュニケーションの最適化

――「Probance Day 2016」レポート1

2017/02/21
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2016年12月8日、ブレインパッド主催で「Probance Day 2016」が開かれ、BtoC向けマーケティングオートメーション「Probance(プロバンス)」の活用企業3社が登壇し導入の経緯や成果などを語った。

Probanceの導入企業が講演する前に、開発元であるフランスのプロバンス社とブレインパッドから、Probanceの概要やマーケティングオートメーション(MA)としての役割などが紹介された。

Probanceに特化したカンファレンスは、今回が初開催

Probanceに特化したカンファレンスは、今回が初開催

重要なのは、パーソナライズされたメッセージを、適切なタイミングで届けること

まず開会にあたり、ブレインパッド 代表取締役会長 草野隆史氏は「当社がProbanceを扱い始めて3年半。当初から、日本での展開に関してはプロバンス社と二人三脚でやってきました。その間、プロバンス社には日本のお客さまのご要望を積極的に取り入れて実装いただき、今日ご紹介する事例を展開するまでに成長してきました」と挨拶した。

次に、プロバンス社のCEOであるEmmanuel Duhesme(エマニュエル・ドゥエム)氏が登壇。「Probanceを用いれば、時間をセーブすることが可能です」と語った。

顧客が日々受信する数多くのメールの中から、自社のメールの件名に目を留めてもらい3秒で開封させ、次の15秒でメール本文からウェブサイトに誘導する必要がある。そのように顧客の心をつかみ興味を抱かせるためには、あらかじめその顧客がどのカテゴリに興味があるのかを推測し、そのカテゴリに分類される商品がディスカウントしたタイミングや新商品が出たタイミングにメールを送るなど、“パーソナライズされたメッセージ”と“適切なタイミング”がキーワードとなる。

Probanceは、そのために必要なトラッキング、データベース、レコメンデーション、キャンペーンマネージメント、メール配信などの機能を一括して開発、提供しているため、導入、管理、オペレーションがスムースに行えるという。

シナリオ自動化、機械学習を用いたレコメンデーション、アクションコントロールがProbanceの強み

続いてブレインパッドのソリューション本部 営業部 副部長 林隆司氏が登壇し、Probanceの3つの特徴について話した。

(1)ビッグデータを基にしたシナリオの自動化
Probanceは、プロバンス社がもともと行っていたデータベースマーケティングを仕組み化してできたという経緯がある。そのため、頑強なデータベースを持っており、多くのデータを一度に取り扱うことが可能だ。
そのデータベースを活かし、顧客データや行動履歴といった社内データと、パブリックDMPなど外部システムから取り込んだデータとを融合し、一人ひとりの顧客に合わせた複雑なシナリオを作成。メール、SNS、バリアブル印刷、アプリのプッシュ通知などのチャネルを通して自動で同時展開することができる。

(2)機械学習の利用
レコメンデーション機能には、機械学習が利用されている。ランキングの集計、顧客の購買履歴、顧客が興味を持っているジャンルなどからレコメンドするアルゴリズムに加え、在庫がなくなればレコメンドしないといった調整機能も備える。そのほかのレコメンドエンジンと連携してさまざまなアルゴリズムが試せるといったことも機械学習を使ったProbanceの強みだ。

(3)マーケティングアクションのコントロール
これら複数のシナリオやレコメンデーションが一人の顧客に対して同時に実行されると、オプトアウトされてしまう危険性がある。そこでProbanceは、一人の顧客に送るメールは1日2通まで、ただし新商品の案内はそこに含めないなどの全体管理が可能になっている。

コーセーの通販ブランド「米肌」のマーケティング戦略とその展開

導入企業講演としてまず初めに登壇したのは、コーセープロビジョン 事業推進部の遠井秀憲氏だ。「米肌」というスキンケアブランドのマーケティングにProbanceを導入して約半年という同社。遠井氏は、まず、その導入前の状況について詳しく話した。

「米肌」のマーケティングに携わって3年目の遠井氏。それまでは製造現場の勤務だったという同氏は、「今こうしてMAについて語れるのは強力な支援があればこそ」と話す

「米肌」のマーケティングに携わって3年目の遠井氏。それまでは製造現場の勤務だったという同氏は、「今こうしてMAについて語れるのは強力な支援があればこそ」と話す

「米肌」は、同社の商品開発力に裏打ちされて成長を続けている通販ブランドだ。マーケティングの基本戦略は、まずトライアルセットを購入してもらい、そこから定期購入へつなげるというもの。トライアルまでのコミュニケーションは、ウェブ広告を中心にほうれい線や毛穴などの肌悩みに関連するキーワードで展開し、そこからLPに誘導している。
それと同時に、新聞の記事広告や折り込みチラシ、ユーザーボイスを使ったテレビのインフォマーシャルといったオフライン広告も展開している。
また、「米肌アンバサダー」という企画では、顧客にSNSやブログなどで「米肌」の魅力を発信してもらうという取り組みも行っている。

これら3チャネルで広告展開しながらトライアルを拡販していったところ、ある顧客は通販というチャネルの便利さで、またある顧客はほうれい線の肌悩みを解決しようとして使い始めるなど、トライアルを購入する際に、すでに顧客の「米肌」に対する期待値やイメージが多岐にわたっていることがわかった。一方で、ターゲットである肌悩みを抱えた顧客ほどリピートにつながっていないという課題も見つかった。

そこで、リピート購入につなげるため、さまざまな施策を行った。
たとえば、購入から数日たった時点でオンライン顧客にフォローメール、オフライン顧客にはDMを送る施策では、既存のECシステムから配信専用システムに切り替えて配信条件の設定とコンバージョンの計測をしっかり行ったところ、購入後30日時点でのリピート率が約1.5倍になった。
また、オンライン顧客に対し、フォローメールに加えてDMも送付する施策では、メールのみの場合と比較して、こちらも30日時点でのリピート率が約1.5倍となった。
そのほか、カートからの離脱者に対するフォローメールや、LINEを通じたメッセージ、トライアル購入後に検索した人への本品購入を促す広告なども打ち出したところ、顧客の反応は良好だった。
「顧客の求める情報に対して最適な情報を発信することでリピート率は伸ばせる。メールにもまだまだ可能性を感じました」と遠井氏は言う。

Probance活用により、チャネル連携シナリオを効率的に実現

しかし、それぞれの施策をさまざまなツールで行っていたため、DMを送付する顧客のリスト化に手作業が発生したり、一人の顧客についての情報が統合しにくかったりと余計な手間や課題も発生していた。
「そこで、情報を届ける手段やその内容を最適化していくことが重要だと考えました。その仕組みさえできれば、トライアル購入時に取得した肌悩みに対して、それぞれの悩みに応じたケアなどの情報を、メールでもDMでも、ウェブ広告でも届けることができます」。

「情報を届ける手段やその内容の最適化」を念頭に置き、費用も含めていくつかのツールを検討した結果、Probanceという選択に行き着いた。
Probance導入後は、ProbanceをベースにメールやLINE、DMの連携シナリオをつくり、顧客の属性に合わせた内容を、それまでに収集、統合した顧客情報に基づいて柔軟に配信するという仕組みを構築した。また、データを一つにまとめたことで、一つのレポートとしても出せるようになった。それにより、どの媒体を見て注文した顧客がどういったリアクションをし、その顧客にはどのようなフォローをしているのかといった全体像が見やすくなり、顧客のリアクションに応じてPDCAを回すことができるようになった。

現在は、メール、DM、LINEのそれぞれで何の情報を届けるか、またオフラインの顧客にはどのような情報をといったように、各タッチポイントで効果を最大化する青写真を描きながら進めているという。

最後に遠井氏は「われわれはお客さまと最適なコミュニケーションをとるにはどのような仕組みが必要かという視点で、MAという手段にたどり着きました。その目的を達成するために、Probanceが最適だったのです」と述べ、セッションを締めくくった。

 

イベント日時:2016年12月8日
場所:御茶ノ水ソラシティカンファレンスセンター

本記事で取り上げたコーセーさまのご講演内容は、イベント主催者のページでもご覧いただけます。
・Probance Hyper Marketing 導入事例
 コーセープロビジョン株式会社様
 http://www.probance.jp/report/161208probanceday2016-1/

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