Probance導入から約1年半、インテリジェンスが目を疑うほどの成果を出したメールマーケティング手法とは

――「Probance Day 2016」レポート3

2017/02/28
  • facebookでシェア
  • twitterでシェア
  • G+1
  • はてなブックマークに追加

2016年12月8日、ブレインパッド主催で「Probance Day 2016」が開かれ、BtoC向けマーケティングオートメーション「Probance(プロバンス)」の活用企業3社が登壇し導入の経緯や成果などを語った。

 

レポート1のコーセー、レポート2のゲオに続いて登壇したのは、インテリジェンス Worksディビジョン マーケティング企画統括部 メディアプロデュース部 CRMグループ マネジャーの西澤知典氏だ。同氏は、「Probanceの導入にはあまり躊躇しませんでしたが、それよりも導入後いかに運用していくかが課題でした」と述べ、その取り組みと成果について話した。

Probanceを用いたメールマーケティングの大きな成果について語るインテリジェンスの西澤氏

Probanceを用いたメールマーケティングの大きな成果について語るインテリジェンスの西澤氏

Probanceの導入に至った4つの決め手

インテリジェンスは、総合人材サービス、パーソルグループの一員で、アルバイト求人情報サービス「an」や「LINEバイト」、転職サービス「DODA(デューダ)」などを提供している。今回はその中の転職サービス「DODA」での取り組みを紹介。西澤氏は、入社から約3年間キャリアアドバイザーとして活躍し、その後マーケティングに携わるようになった。キャリアアドバイザー時代に触れていた実際のユーザーの声や悩みを活かしながらマーケティングに取り組んでいるという。
今回は、インテリジェンスが持つさまざまなサービスの中でも、転職サイトのDODAにおけるBtoCマーケティング、つまり求職者である個人の利用促進について解説がなされた。

Probanceでは主にメールマーケティングの自動化を行っているが、現在の手法に至るまでには、大きく3段階のステップがあった。
最初は、メールマガジンを配信し始めた段階だ。2007年1月にもとは雑誌だったDODAがWebサイトを立ち上げた時からのことで、メールマガジンを登録者全員に一律で配信していた。
これを約5年間続けたあと、次の段階として、2012年10月にパーソナライズメールの配信を開始。システム部門と連携して登録者の属性情報や行動履歴を抽出できるシステムを独自で構築し、キャンペーンに沿って配信先をリスト化、メール配信システムの差込機能を使って配信と、一連の作業を手動で行っていた。2013年8月ごろからレコメンドメールに着手し始めたが、こちらも手動で一日かけて行っていた。
これらの取り組みは、高い効果を発揮したが、配信にかかる膨大な工数や、手動によるリスクの高さを鑑みて、このままこの手法を続けるのは危険だと判断。パーソナライズメールを自動化しようという話になり、3段階目の取り組みとして、2015年3月、Probanceの導入に至った。

導入の決め手は以下の4つだ。

  • 細かなコミュニケーション設計ができること
  • データを様々な形で結び付けられること
  • アプリやLINE、サードパーティデータなどの拡張性に優れていること
  • パートナーとしてブレインパッドが信頼できること

中でも、最も大きかったのは4つ目の「パートナーとしてブレインパッドが信頼できること」だ。長い付き合いの中でインテリジェンスを深く理解し、発生した問題や課題に対しては複数の提案やアドバイスをもらえたという。
インテリジェンスは、Probanceのほか、ブレインパッドが扱うレコメンドエンジンのRtoasterも導入している。

2年間で達成するはずだったROI目標を半年でクリア 

Probanceを導入して約1年半が経つが、経過は良好だ。導入した当初にくらべキャンペーン数は約3倍の150本以上に増加。KPIとしてDODAに掲載している求人への応募数を取得しているが、こちらも右肩上がりで、導入当初と比べると1.8倍になったという。2年間で達成するはずだったROI目標を半年でクリアするなど、信じられないような成果が上がった。

Probance導入時は複雑に枝分かれしたシナリオを試したい思いもあったが、まずはシンプルに始め、徐々に育成していくことを考えた。
はじめに求職者を求人への応募数やマイページへのログイン履歴、最終ログイン日からの経過日数などで5つにセグメントし、ホットな順からA層、B層、C層、D層、E層とした。

戦略的にA層を増やすことを最上位の概念としたうえで、E層をいかに上位層に上げるかというところを大きなシナリオと捉え、それぞれのセグメントに対してキャンペーンを設定し、キャンペーン単位で評価しながらPDCAを回していった。また、勝ちパターンは残しながらも、次々と新しい施策を試していった。現在は求人を出す法人サイドの営業企画とともにミーティングをしながらABテストを行い、開封率やクリック率、CVR、加えてメールの配信停止といったネガティブ指標も取得し、キャンペーン存続の判断を行っている。「このように、多くのキャンペーンをトライアルできたというところが、Probance導入の非常に大きなメリットでした」と西澤氏は語る。

ポイントは、キャンペーンをいかに細かく設定できるか

A~E層それぞれに配信するメールの内容は求人情報のみならず、応募書類の書き方といった転職関連情報や、転職フェアなどリアルイベントの案内、キャリアや年収などの診断コンテンツ、転職人気企業ランキングといった読みもの記事、転職とはまったく関係のない営業力アップ講座の案内など多岐にわたるため、これらを送り分けている。
A~C層に対しては、転職意欲が高いとみなし、求人情報を多めに配信。一方、D、E層に対しては、求人情報も配信はするものの、転職意欲は低いとみなしてキャリア診断のコンテンツや転職市場の情報を中心に配信している。

配信タイミングもそれぞれの層やキャンペーンによって、日次や週次、月次などと設定を分けているという。
さらに、定期配信している求人に応募があれば、その応募をトリガーとして自動レコメンドで類似の求人情報を送り、それに対して3日間反応がなければ、今度は異なる切り口で閲覧したものに近い求人情報を送るなどといった仕組みも構築した。

「重要なのは、キャンペーンをいかに細かく設定できるかということです」と西澤氏。転職活動が進んでいくと、徐々に登録時の条件と実際に探している条件が乖離してくる傾向にあるという。そこで、行動履歴があるユーザーは登録時の情報ではなく、行動履歴をもとにマッチングし、レコメンドすることを基本とした。
マッチングの条件は、希望職種や希望勤務地、希望年収、年齢、語学力の有無などさまざまだ。

スコアリングによるマッチングも行っている。ユーザーが実際に閲覧している求人について、例えば「未経験者歓迎」や「福利厚生充実」といった、よく見ている条件の傾向をRtoasterでスコアリングし、その情報をもとにリスト化してProbanceで配信すると、非常に高い効果が得られるという。
また、リアルで行われる転職イベントの告知も、スコアリングによって送り分けている。これまで、同イベントの告知は全ターゲットに対して積極的に配信しており、効果も高かったが、その反面、メール配信停止のインパクトも大きかった。そこで、ウェブサイト上のイベント告知ページを「閲覧していない人」、「閲覧しているけれど申し込みをしていない人」、「すでに申し込みを終えている人」に分けてリスト化し、特に「閲覧しているけれど申し込みをしていない人」に向けて告知するようにした。

「Probanceを導入したことで、KPIの達成や事業成長に大きく貢献できたことは言わずもがなですが、効率的に施策の本数を増やすことができたこと、他のシステムやブレインパッドと連携することで今までになかった画期的なキャンペーンを実装できたことが非常に大きなメリットだったと思います」と西澤氏。
今後の展開として、まだ連携できていない情報との連携や、同じA層のなかでもB層からからA層になった人、D層からA層になった人など、それぞれのシチュエーションに合わせたシナリオの最適化、アプリやLINEなどを使ったクロスチャネルマーケティングなどにも挑戦していきたいという。

最後に西澤氏は、「導入を検討されている方は、まずシンプルにスタートしていいのではないかと思います。シンプルにスタートして、いろいろ試しながら運用、成長させていく。判断基準は明確にした上で定期的に分析し、PDCAを回していくことが大事です」と、導入後に運用を行いながら成長させていくことの重要性を強調した。

 

イベント日時:2016年12月8日
場所:御茶ノ水ソラシティカンファレンスセンター

本記事で取り上げたインテリジェンスさまのご講演内容は、イベント主催者のページでもご覧いただけます。
・Probance Hyper Marketing 導入事例
 株式会社インテリジェンス様
 http://www.probance.jp/report/161208probanceday2016-3/