動画配信プラットフォームとMAの連携によるマーケティング効果の最大化

――シンフォニーマーケティング&ブライトコーブ共催BtoBマーケティングセミナー レポート3

2017/05/23
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文:森田裕美

2017年3月16日、シンフォニーマーケティングとブライトコーブの共催セミナー「BtoBマーケティングで成果を出す仕組みをつくる〜MA(マーケティングオートメーション)と動画を活用したデジタルマーケティングについて〜」が都内で開催された。
講演では、シンフォニーマーケティングから、BtoBマーケティングにおけるデマンドセンターと動画の活用事例が、日本オラクルから、マーケティング・オートメーション製品である「Oracle Marketing Automation (以下、Oracle Eloqua)」の活用方法が、ブライトコーブから、動画マーケティングとOracle Eloquaとの連携で可能なことが紹介された。

今回は、レポート第1弾第2弾に続く第3弾として、ブライトコーブデジタルマーケティング テリトリーマネージャー 大野耕平氏による「マーケティングオートメーションにおける動画利用について」というテーマの講演をご紹介する。

ブライトコーブとYouTubeとの違いは?

ブライトコーブは2004年にボストンで設立され、YouTubeよりも1年早くクラウドを利用した動画配信のビジネスをスタートさせた企業だ。
同社の製品であるBrightcove Video Cloudは、デジタルマーケティングでの利用と、メディア、TV局、映画などで動画配信サービスを提供しており、月間約27億回再生されている有償の動画配信サービスではトップシェアとなっている。

日本では、当初、すでに動画を制作していた大企業での導入が中心であったが、最近ではBtoB企業でも動画の活用が進んできたため、利用企業も増加していると大野氏は言う。オラクルでも採用されており、マーケティングクラウド関連の年次イベント「Modern Marketing Experience」でもライブ配信を行った実績もある。

では、Video CloudとYouTubeとの違いは何だろうか?無償で動画を公開することができることが特長であるYouTubeに対して、有償の動画プラットフォームに特化しているブライトコーブのソリューションの特長は?

Video CloudでもYouTubeと同様に動画の視聴データを確認できるのだが、これらのデータをさまざまなサービスと連携し、Video Cloud側のデータを別のツールに送ることが可能だ。
例えば、誰が動画を何分視聴したか?という情報をSalesforceやOracle Eloquaなどに送ることができるため、SFAやマーケティングオートメーション(MA)側で活用することができる。MAツールを導入している企業は年々増加しているが、実際に使えているのか疑問に思っている企業も多いのではないだろうか?このような企業では、ぜひ動画マーケティングと連携してMAツールを活用することを検討してみてもらいたい。

ブライトコーブのVideo CloudとEloquaは2014年5月から連携しており、世界で約50社の企業で実際に連携が実現しているという。

動画マーケティングの6つの効果、メリット

ブライトコーブの概要の後に続き、ブライトコーブの顧客データから導き出された動画マーケティングの6つの効果、メリットについて説明が続いた。

  1. LPに動画を配置することにより、SEOの効果が53%向上。
  2. ウェブサイトに動画を設置することにより、88%以上滞在時間が増加。
  3. モバイルによるリーチ拡大。モバイルサイトに動画がある場合、商品購入の可能性が40%近く増加(2017年までにモバイル動画が全モバイルデータのトラフィックの66%を占める)。
  4. メールに動画のサムネイルを採用することにより、クリック率が2倍に。
  5. 動画のないウェブサイトの平均コンバージョン率がわずか9%なのに対し、動画が設置されている場合ではコンバージョン率が4.8%に向上。
  6. 動画を視聴した買い物客は非視聴者より購買に至る可能性が8倍に。動画を活用している小売業者は、売上が40%増加。

1分の動画は18,000語の文章量に匹敵すると言われており、長文の説明を読む場合より、動画の方が理解してもらいやすいという。

動画マーケティングならではの注意点と特徴

大野氏によると、動画マーケティングとウェブマーケティングは、KPIを決め、PDCAを回すことにおいて基本的には同じであるという。SEOについても動画とウェブは基本的には同じだ。

しかし、動画は規格が多く、しかもしばしば変更される。自社で動画を独自に配信する場合、規格が変更されるたびに配信システムを作り直さなければいけないが、ブライトコーブなどの動画配信サービスを利用することで規格変更に伴うシステムの変更を心配する必要がない。

ただ、動画活用では、制作の手間、動画のクオリティ、制作費用を心配する担当者の方も多いと思う。しかし、費用を掛けない多少粗い動画であったとしても、マーケティングファネルのフェーズによっては視聴され、エンゲージメントを高めることも十分に可能だと大野氏は言う。

さらに、動画はコンテンツに時間軸が存在する。例えば、ウェブからPDFをダウンロードする場合、ダウンロードしたことは計測することは可能だが、そのPDFがどこまで読まれたのかはわからない。一方、動画の場合はどこまで視聴したかを計測することができ、60秒の動画を1秒しか見ていない人と60秒見た人を識別し、興味のレベルがまったく違うということを把握することができるのだ。

Video Cloudの分析画面では、視聴率、離脱率、再生率を確認することが可能で、そのメリットは大きいが、これだけでは動画が途中まで再生されたデータは取得できたとしても、個人を特定することまではできない。そこで、MAツールであるOracle Eloquaと連携する意義が生まれる。MAツールと連携することで、個人を識別したマーケティング施策などへと活用範囲が格段に広がるのだ。

BtoB企業でもぜひ動画マーケティングをトライしてもらいたい、と語るブライトコーブデジタルマーケティング テリトリーマネージャー 大野耕平氏

BtoB企業でもぜひ動画マーケティングをトライしてもらいたい、と語るブライトコーブデジタルマーケティング テリトリーマネージャー 大野耕平氏

Oracle Eloquaとの連携で広がるマーケティング施策の幅

マーケティング活動でリードを集めるために必要なリードジェネレーションでは、Oracle Eloqua側のリードフォーム機能を利用し、この機能で作成されたフォームをVideo Cloudで管理する動画の好きなタイミングに挿入することができる。
このリードフォーム機能を利用することで、例えば、動画の再生前にリード情報を取得してから再生が始まるなど、リード情報を取得した上で動画再生させる仕組みを作ることが可能だ。

さらに、営業に渡す見込客を育成するリードナーチャリングでは、Video CloudとEloquaを連携させることで、Eloqua側のカスタムオブジェクトに、Video Cloudの「Time watched」、「% view」などの情報を追加することができる。
データが同期されるタイミングは1時間に1回で、Eloquaのカスタムオブジェクトで「誰がどんな動画を何%見たか」という情報を確認することができるようになり、動画を利用したスコアリングが可能となる。
例えば、Video Cloudで設定された動画の視聴が50%になった場合にはAというメールを送り、50%未満の見込客にはBというメールを送るといったナーチャリングをすることができる。

また、特定のVideo ID(Video Cloudで管理する動画にはそれぞれVideo IDというものが割り振られている)を視聴した人に対して、30%程度の場合のスコアリングをするなど、細かな設計がEloquaだと可能になる。このような機能を使うことで、顧客の購買ステージに合った、正しいタイミングで動画を視聴させることができる。

制作したままで社内のファイルサーバに眠っている動画があれば、リードジェネレーション、リードナーチャリングに活用することを検討してみてはどうだろうか。MAツールと連携させることで今まで以上にマーケティング活動に役立てることが可能になるだろう。

また海外事例として、既存の5分の動画を活用し、購入フェーズの見込客に対して動画メールを配信するキャンペーンが紹介された。50%以上視聴している見込客にはSalesforceのSQLにコンバージョンする施策だ。動画のサムネイルがある場合では、それだけでクリック率が高く、ユニークCTRで23%、1年間の全キャンペーンMQLのうち2.5%に対して動画企画が貢献し、MQLの20%が平均3万ドルの案件になったという。

注目されるインタラクティブ動画

最近注目されているものとして「インタラクティブ動画」がある。動画を流すだけではなく、動画の中で何かを選択(クリック)させるようなタイプの動画をインタラクティブ動画と呼び、例えば、ファッションショーの動画の右側に洋服やアクセサリなどの購入ボタンが表示されている、というようなものだ。
ブライトコーブのプレーヤーであれば、このようなカスタマイズも可能だと大野氏は語る。また、これら購入ボタンをクリックした情報もOracle Eloquaと連携していれば可視化が可能だ。

大野氏によると、BtoB企業であるブライトコーブでもインサイドセールスで似たような仕組みを活用しているという。ブライトコーブのアメリカでは、広い土地では営業がすべてのクライアントをカバーすることが難しいため、インサイドセールスの担当がメールなどの動画で自己紹介をし、打ち合わせのスケジュールを設定するようなボタンも動画内に設置しており、見込客が反応したデータをEloquaに送り、リードナーチャリングを実施している。

Oracle EloquaとブライトコーブのVideo Cloudを連携させることにより、1+1以上の成果を出すことが可能だという。すでにEloquaもしくはブライトコーブを利用している、または動画マーケティングをこれから検討していこうという担当者の方はぜひトライしてみてはいかがだろうか。

 

記事執筆者プロフィール

森田 裕美(Hiromi Morita)

プログラマからキャリアをスタートし、外資系企業でマーケティング・コミュニケーション業務全般を経験した後、ウェブ制作会社や広告代理店でウェブプロデューサーとして制作・広告プランニング・分析などを経験。2012年12月に日本初のインバウンドマーケティングエージェンシーであるマーケティングエンジンに参画、セールス&マーケティングを中心にHubSpotのコンサルタント、テクニカルサポート、プロダクトやマニュアルの翻訳などを経験。その後はフリーランスで企業のマーケティング・コミュニケーション業務のサポートやスタッフの教育を中心に、インバウンドマーケティングのサポート、取材やブログの執筆なども行っている。