[ PR ]
CRMを軸に、顧客とのコミュニケーション活性化とマーケティングROI(投資利益率)の最適化を支援するシナジーマーケティング株式会社。
2014年10月にヤフー株式会社の完全子会社となり、15年間にわたるCRMノウハウとYahoo! JAPANのマルチビッグデータを掛け合わせた研究開発とサービス開発が進む。
12月8日に同社主催イベント「Synergy!LIVE 2015 Tokyo」が開催され、マーケターを対象とする「Marketing AREA」と研究開発者を対象とする「R&D AREA」において、Yahoo! JAPANとの協業成果、新プロダクト、新サービスが発表された。
イベントの主要プログラムであった、「Marketing AREA」のキーノートと事例セッションの講演要旨を以下にレポートする。
クロスデバイス時代のマーケターの課題
スマートフォンやタブレットが普及し、インターネットはクロスデバイス時代を迎えた。
ユーザーはPCやスマートフォンをまたいで行動(アクセス・アクション)するようになったが、このクロスデバイス化はマーケターとテクノロジーベンダーに新たな課題を与える。
すなわち、複数のデバイスをまたいだユーザーの動きをトラッキングする上で、ウェブではCookie、スマートフォンアプリではIDFA(iOS)・Advertising ID(Android)と識別子が分断されており、コミュニケーション(ユーザー視点)とマーケティングROI(企業視点)の最適化に欠かせない高精度ターゲティングを行うための技術的障壁が高くなっている。そのため、従来のCookieに頼ったアドテク関連サービスは設計から見直しを余儀なくされるとの見方も出ている。
このクロスデバイス時代のマーケティング課題を解決するカギになるのが、デバイスを横断してユーザーの動きを読み取るテクノロジーである。登壇したヤフーの高田氏によると、Yahoo! JAPANでは、いち早くCookie依存から脱却すべく、Yahoo! JAPANの利用においてログイン率100%を目指す取り組みを推進しており、ターゲティング等において有効なユーザーデータを蓄積しているそうだ。

また、Cookieベースのアプローチではターゲットが主にサイト訪問ユーザーに限定されるが、ログイン情報がベースであれば、サイトを訪問していないユーザーに対しても、より適切にアプローチできるようになるとの発表があった。
このような施策はDMPを利用することで可能となるが、Yahoo! JAPANのマルチビッグデータとYahoo! DMP、そしてシナジーマーケティングが持つCRMシステム・データは、クロスデバイス時代のマーケティングコミュニケーション最適化への強力な武器になるとしている。

マーケティングコミュニケーションの最適化を支援するため、シナジーマーケティングが提供しているのはクラウドサービスだけではない。戦略立案から、システム構築、ウェブサイト制作、ライティング、UX/UIデザイン、マーケティング業務アウトソーシングまでを「エージェントサービス」によりワンストップで対応している。
「嫌われないマーケティング」を支えるテクノロジー
クロスデバイス時代の技術的障壁に加え、ユーザーの「反応率」の低下もマーケターを悩ませている。プロダクトやサービスがいいものであれば、伝えたい・買ってほしいと思うのは人情だが、ユーザーの側からすれば、広告は「もうお腹いっぱい」ということもあるだろう。企業(売り手)が嫌われる原因は「見せたいものを見せたいタイミングで(自社都合で)」送っていることにあり、「知りたいものを知りたいタイミングで(顧客都合で)」送ることへの姿勢の転換が、ユーザーの心に真に訴えかけるコミュニケーションに不可欠だ。

シナジーマーケティング 取締役 兼 COO 田代 正雄氏
では、「顧客都合」のコミュニケーションはどう実現するのか。ひとつの手法として、シナジーマーケティング固有の価値観モデル「Societas」が紹介された。これは、日本人の価値観や行動の要因を12のセグメントにわけた分析モデルである。
同社の提供するクラウドサービス「iNSIGHTBOX」を利用すると、顧客(ユーザー)に「Societas」番号が割り当てられる。この番号にもとづき、セグメントごとにおすすめする商品の表示をカスタマイズできる。
また、「好みの印象やライフスタイル」がわかるため、クリエイティブやライティングのトーンを変えるといった、よりターゲットに「刺さる」コミュニケーションが可能になる。逆に、「刺さらない」相手を顧客対象から外すことによって、「嫌われてしまう」コミュニケーションを回避したり、より見込度の高いユーザーにリソース(予算や時間など)をシフトすることもできる。

また今回、「Intelligent Communication Platform」としてフルモデルチェンジした主力製品「Synergy!」も、「顧客都合」のコミュニケーションを実現するために欠かせないシステムだ。
メール配信、Webアンケート、問い合わせ管理、モバイルクーポン作成という4つのアプリケーションを標準装備。キーノートでは、メール配信アプリケーションの新機能として「リターゲティングメール」が発表された。
この機能は、最適なタイミングでユーザーにアプローチするメッセージングサービスの一環として位置付けられるもので、メール以外のチャネルであるアプリやSNSなどでも今後、同様の機能を搭載する方針もあわせて発表された。
シナジーマーケティングが描くCRMの未来
クロスデバイス・情報過多の時代、CRMデータの適切な活用や顧客インサイトの分析は、マーケターの重要業務と言える。しかし現状のCRMは、誰もが利用できるものではなく、「顧客を多く集めてから」「大企業でないとできない」との見方もある。また、「専門の知識・分析力が必要」といったハードルの高いイメージが、導入をためらわせているケースもある。
同社が目指すのは、「誰もが活用でき恩恵を受けられるCRM」。一部の限られた人しか使えなかったCRMを、誰もが活用できるような仕組みを提供するため、研究・サービス開発に一層注力するとの方向性を打ち出した。
この「誰もが使えるCRM」を実現するため、この日発表されたのが新プロダクト「elli」だ。
このサービスは「メールを開くと、相手のことがわかる」という、まったく新しい概念のCRMツール。メールを開くと、相手のパーソナル情報、企業情報、メールのやりとり回数などが同じ画面に一括で表示される仕組みで、Gmailにアドオンすることで容易にCRM導入・実践が可能だ。
プロダクトと別途、二つの新サービスが発表された。
一つ目の「ACADEMY」は、同社の知見を活用し、顧客企業とともにマーケティング成果を高めるためのトレーニングサービスとコミュニティだ。
二つ目は「neuro」。同社は数年間、消費者の印象や感情を脳波で把握しようとする研究を実施してきたが、今後これを実用化・サービス化していくという。
neuroを含む研究開発活動とそれにもとづくサービス開発を今後も積極的に進め、「顧客都合のコミュニケーション」と「誰もが使えるCRM」を実現して日本を元気にしたいとの志が述べられ、キーノートが締めくくられた。
【事例】リンナイ株式会社
「CRMを実践するリンナイのEC戦略」
リンナイは2006年から交換部品販売サイト「リンナイスタイル」を開設し、五徳(ごとく)やグリル焼棚などをエンドユーザーに販売している。部品販売で蓄積した顧客データをもとに、シナジーマーケティングと協力してブランドの構築と消費者との直接接点づくりの施策を行った。
これまでのメールマーケティングは登録会員への一斉送信であり、一通送るごとに大量の離脱が発生していた。そこで「Synergy!」×「Societas」を用い、嫌われないメールを送るための施策を検討。販売したい商品に反応しそうな顧客を「iNSIGHTBOX」で抽出し、行動履歴に基づいたメール配信を行ったところ、購買アクションが12.6倍に跳ね上がったという。
また、リンナイのハイエンド商品「DELICIA」の売上向上の施策として、すでに購入したユーザーを「Societas」で分析すると、「Societas番号5-2:社交的な堅実ホームメーカータイプ」であることがわかった。会員全体に多いタイプは「同番号2-2:家庭的な真面目タイプ」なので、「DELICIA」購入者層とは異なる好みやライフスタイルを持つ層だ。
この結果にしたがって、「DELICIA」購買層が好む「和食でおもてなし」「ホームパーティー」をキーワードにしたCMやキャンペーンを打ったところ、前年度比133%の伸びという好成績を収める結果を得た。

「データドリブンマーケティングという言葉が世の中でたくさん言われる時代になっていますが、まだまだ効果は出せます。効果を出せるポイントはどこにあるかというと、みなさまの会社にあるお客様のデータです。これこそが、とても重要で価値のあるものだと考えています」と話すのは同社代表取締役社長 兼 CEOの谷井氏。
CRMデータを適切に活用すれば、顧客の行動心理が見えてくる。今後もシナジーマーケティングのプロダクト・サービスによってビジネス上の大きな成果を上げる企業が続々と現れることだろう。
Yahoo! JAPANとの資本業務提携から1年。新たなブランドロゴとともに新機軸を展開するシナジーマーケティング。日本中の顧客企業とともに、デジタルマーケティングの新たな地平を切り拓くことを期待したい。