YouTubeのTrueView、FacebookのVideo Adが相次いで360度動画広告に対応。360度動画広告の関心や需要が高まりつつある中、Fringe81とSpotwrightが、その製作と広告配信での計測検証まで一括で行える動画コンテンツサービスの提供を開始した。
今回提供が開始された「360ビデオスポット(仮)」により、複雑な360度動画広告をワンストップで実現でき、広告主はスピーディに360度動画広告に取り組むことができる。
同サービスの実施第一弾として、スターフライヤーが2016年元旦に実施したイベント「初日の出フライト(Sunrise Flight 2016)」の360度動画を、YouTube、Facebook上で広告配信している。
360度動画で話題を呼び、広告効果を検証
2015年から360度動画の製作テストや実証実験を行ってきたSpotwrightと、動画広告配信と独自の視聴分析サービスを提供してきたFringe81が、動画広告展開の協業を進める中で共同開発した同サービス。
Spotwrightの明石岳人代表取締役は、大きな産業に成長した日本の映像業界における360度動画の特異性を語る。
「360度動画はスマートフォンで楽しんでいただくものなので、これまでの映像業界とは微妙にずれたエアポケットのような位置にあると思っています。」
スマートフォン動画は、ユーザーの接触時間が飛躍的に伸びている。その中でも注目される360度動画は、スマートフォンを傾けて見たい方向の映像を見ることができるなど、スマートフォンならではの形でユーザーに新たな体験を提供する新しい映像フォーマットと言える。
明石氏は、FacebookやGoogleも大きな投資をしており、今年から来年にかけて、この「エアポケット」が新しい映像の分野に成長すると見ている。
Fringe81の谷島貴弘氏は、スマートフォンにフォーカスした広告施策の必要性とともに、同サービスの高度な分析について言及する。
「弊社の第三者配信計測サービス『digitalice』を組み込んでおり、アトリビューションなどユーザーの態度変容も明らかにし、検証できます。単純に360度動画で話題を呼ぶだけでなく、実際にユーザーに伝わったのかをデータで明らかにすることで、サイトへの訪問、購入、会員登録などに繋げていくことが可能になります。」
新しい動画の流れを日本に定着させたい
売上や導入数などの展望について、明石氏は「個別の売上よりも、まずはこの新しい動画の流れを日本にも定着させたい」と語る。その考えから、年内で30案件は導入にこぎつけたいと言う。
「そうは言っても、クライアントサイドも『360度動画って何を撮ればいいの?』ともお考えかと思いますので、定期的に自社企画での360度動画コンテンツを製作・配信していく予定です。意外なものが360度動画と相性がよかったりするので、ぜひSpotwrightのFacebookページをチェックしてください。」
動画広告が増える中、現状はテレビCM用に制作された動画をWebでも利用することも多い。同サービスが「スマートフォンならでは」のプロモーションをいかに牽引していくか、注目される。