
2015年秋、大手デジタル・エージェンシーAKQAのChief Creative Officerを務めたレイ・イナモト氏は、デザイン、データ、テクノロジーを融合したソリューションを創造することを目指し、新たに「Business Invention Studio」を設立すると発表していたが、2016年2月1日、その詳細が明らかになった。
レイ・イナモト氏は、2004年から2015年9月までAKQAのChief Creative Officerを務め、2012年Creativity誌「世界の最も影響力のある50人」のひとりに選ばれるなど、世界を舞台に活躍しているクリエイティブディレクター。
Nike、Google、Audi、Chanel、American Expressといったグローバルブランドのデジタルマーケティング戦略立案とその実行を担い、数多くのキャンペーンを世界規模で成功させた。
新会社Inamoto & Co.の設立にはレイ・イナモト氏のほかに、AKQA社のニューヨークオフィス代表を務めていたRem Reynolds氏が共同創業者として加わり、また大手広告代理店のR/GA社でシニアバイスプレジデントを務めたWill Turnage氏などが参画した。

また、デジタルガレージ(DG)が、シードラウンドの増資にリードインベスターとして参加。DGグループの持つ海外ネットワークを活用し、Inamoto & Co.が有する世界的なクリエイティブ能力と、DGが手がけてきたデータサイエンス事業などを組み合わせ、グローバルなインキュベーションのハイブリッド事業を構築していくと発表している。
レイ・イナモト氏は、「20年後にはさまざまな仕事が人工知能や機械に置き換わると言われています。こうした中でも、0から1を作り出す事、そして起業する事は人工知能には基本的にできません。Inamoto & Co.では今までになかった事を、今までになかったやり方で編み出し、Design x Data x Technologyを軸に新しい未来を築いていきたいと思っています」とコメントしている。
また、DG代表取締役社長兼グループCEOの林 郁氏は、「マーケティング活動をコストではなく投資として捉える時代になってきました。実際のデータに基づく精緻なマーケティング施策と、世界レベルのデータサイエンス×世界レベルのクリエイティブを組み合わせることで、グローバルマーケティングはもとより、IoTとつながるAI(人工知能)や、マーケティングに活用する戦略性の高いVR技術、 FinTechと連動した、インキュベーション事業を多面的に展開していく予定です」と語る。
新たな一歩を踏み出したレイ・イナモト氏。Inamoto & Co.の今後の活躍に期待が集まる。