2月17日、NHK放送文化研究所が「2015年 国民生活時間調査報告書」を発表した。

「国民生活時間調査」は1960年から5年ごとに行われており、日本人の睡眠や労働、家事、食事、テレビ視聴、インターネット利用など、普段の生活実態を「時間」という尺度でとらえようとするもの。

報道各社が、日本人の生活サイクルが朝型へシフトしたことを伝える一方、トランスコスモス・アナリティクス 取締役 副社長の萩原雅之氏は、次のように指摘している。
「本調査の最大のトピックスは、新聞の行為者率の激減だろう。この20年で、30代の読者は5分の1に、40代の読者は3分の1になった」。

「2015年国民生活時間調査報告書(NHK放送文化研究所)」をもとに萩原氏が作成
「2015年国民生活時間調査報告書(NHK放送文化研究所)」をもとに萩原氏が作成

 

本調査では、調査対象者の指定日の行動を15分刻みのタイムテーブルに記録してもらう。「新聞の行為者率」とは、「新聞を読む」という項目にチェックがついた回答者比率のことで、調査指定日に「新聞を15分以上読んだ」人の割合のことを指す。

萩原氏は「この傾向が続けば、10年後には40代以下の読者はほとんどいなくなる」と続けた。

また、テレビやラジオなど、その他マスメディアの行為者率も1995年から減少が続いている。特にテレビについては、この5年での減少幅が大きく、これらの結果はインターネットの普及が影響していることを否定できないだろう。

本調査でも、インターネットの行為者率は幅広い年齢層で増加傾向にあった。スマートフォンの利用拡大も著しい昨今、企業は顧客とのコミュニケーションにおいて、タッチポイントをどのように設定するべきなのか、再考する必要があるかもしれない。