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ブライトコーブ主催イベント「PLAY 2016」での「デジタルマーケティング」トラックのレポーティング第3弾。Viibarブライトコーブの講演に続いての第3セッションでは、NECにおけるBtoB領域での動画マーケティングへの取り組みがパネルディスカッション形式で紹介された。

パネラーはNECのデジタルマーケティングを担うNECマネジメントパートナーの内田朝子氏と、アビームコンサルティングでデジタルマーケティングのコンサルティングを行う本間充氏。モデレーターはブライトコーブのセールスディレクターである北庄司英雄氏だ。

時折、笑いも交えながらセッションは進んだ
時折、笑いも交えながらセッションは進んだ

動画活用は、事業内容をよりよく知ってもらい、営業につなげるため

NECでは、事業内容をよりよく知ってもらい、ブランドイメージの向上と営業活動につなげることを目的に、BtoB領域で動画コンテンツの活用に取り組んでいる。
これまでの同社はパソコンや携帯電話に強みがあるイメージを持たれていたが、実際の事業内容は、小惑星探査機「はやぶさ2」や光海底ケーブル「FASTER」に関連するプロジェクトへの技術面での貢献、顔認証や指紋認証技術などを通したソリューションの提供など、高い技術力を活かしたBtoBの課題解決に取り組んでいるため、そういった事業をより知ってもらいたいとの思いが背景にあるという。

動画コンテンツには2007年から取り組んでおり、2014年10月にはマルチデバイスへの対応と効果分析を強化するために「Brightcove Video Cloud」を導入した。

動画活用を含むデジタルマーケティングを一貫して行っているのはNECのCRM本部だが、実はCRM本部は営業統括ユニットの中に位置付けられている。デジタルマーケティングのさまざまなコンタクトポイントで一貫したメッセージを届け、そこから得た顧客情報を速やかに営業につなげることを目的とした組織構成だ。
本間氏は「営業組織の中にCRM部門が置かれているケースは珍しいですが、デジタルマーケティングを通して得た顧客情報をしっかりと営業につなげていくうえで、この組織構成はとても効果的です」と評価し、内田氏も「実際、とてもやりやすいと感じています」と述べた。

オンラインとオフラインの連携で、ナーチャリングフェーズに合わせた動画マーケティングを展開

「動画を使ってコンテンツマーケティングを展開していくにあたって、重要なのはナーチャリングフェーズに合わせたコンテンツの拡充です」と内田氏。認知を広めリードを創出するための「企業紹介」、リードを醸成するための「事例の紹介」や「最先端技術の紹介」、拡販のための「製品やソリューション紹介」など、各コンテンツの制作に力を入れている。

動画コンテンツはNEC Online TVというオウンドメディアを中心に、SNSやメルマガ、外部サイトでも展開。ネット上の掲載以外にも、営業の現場で使われたり、テレビで紹介されたりすることもあるという。

NEC Online TV
NEC Online TV

営業の現場でも使われるということを受け、関連動画は営業サポートツールとして社内のナレッジマネジメントシステムからダウンロードできるようにした。また、オンラインから動画を視聴した人は有力な見込客であるとして、MAツールも使用しながらマーケティングに役立てている。まさに、オンラインとオフラインをうまく連携させた動画マーケティングと言えるだろう。

動画制作においても、オンラインとオフラインをうまく組み合わせ、有益なコンテンツを効率的に生み出すよう工夫している。例えばイベントの出展時には、イベント前日のお知らせとしてブースの様子を撮影した動画を掲載してリアリティを伝えたり、展示会でのデモ動画をコンテンツとして配信したりといった形だ。

よりよいコンテンツをユーザーに届けるため、アンケートフォームも開設した。実際、1日に10件ほど回答が寄せられるという。また、こういったアンケート結果などから得られた顧客ニーズは、デジタルマーケティングだけでなく、オフラインのイベントの企画や集客にも活かされている。

動画を含めた各コンテンツをより多くの人に閲覧してもらうために

動画を含めた各コンテンツに興味を持ってもらうための取り組みも積極的に行っている。例えば、各動画のページのレコメンド機能として「おすすめコンテンツ」を掲載し、そこからのサイト回遊を促したり、メールマガジンで動画を紹介したりもしている。

メールマガジンは、週1回の定期配信に加え、ターゲットを絞ったうえでテーマごとにも配信している。効果測定したところ、動画を再生したユーザーのうち60%が最後まで視聴していたという。本間氏はこれを聞き、「60%という高い数値はBtoBであればこそ」とコメント。

また、内田氏によると、「動画を視聴していないユーザーよりも動画を視聴したユーザーの方がアクション率は高く、BtoBでは動画は視聴されにくいと思っていましたが、興味があれば視聴してもらえるようです」とのことだ。

最後に内田氏は、今後の取り組みとして、「ナーチャリングフェーズに合わせたコンテンツの強化をさらに推進していきたいと思っています。また、分析面もさらに強化し、その結果はコンテンツの制作にも役立てていけるのではないかと考えています」と語り、セッションは幕を下ろした。

動画マーケティング推進のためには、まず“目的”を明確に
――3つのセッションを振り返って

今回のブライトコーブ主催「PLAY 2016」での「デジタルマーケティング」のトラックでは、3つのセッションすべて共通で「マーケティングの各段階に合わせた最適な動画コンテンツ作り」の必要性が説かれていた。

技術の発展により動画の可能性は日々広がっている。そうしたなか、動画マーケティングを推進していくうえで変わらず持ち続けなければならないものは“目的”だ。その目的に合わせたクリエイティブを選択し、適切な効果測定指標を立て、結果を分析して次のコンテンツ作りにつなげるという一連のPDCAサイクルを回していくこと――その積み重ねこそ、動画マーケティングが企業を大きな成功へと導いてくれるカギとなるだろう。