文:椎葉 宏
メールマーケティングを取り巻く状況が変化していることについては以前のコラムで言及した。そのような変化はありつつも、デジタルマーケティングを進める上で、やはりメールが無視できないチャネルであることは変わらないだろう。
BtoCでは、LINEやアプリのプッシュ配信を併用しつつもMA活用の中核はメールになることが多いし、BtoBでは、見込客はもちろん既存顧客とのコミュニケーションチャネルとしてもメールは欠かせないものだ。
今回は、古くて新しいテーマである「メールマーケティング」を取り上げ、昨今の状況変化を踏まえて、コミュニケーション設計をどのように進めればよいのか、最新のフレームワークについて説明したい。
ベース、スポット、フォローの3種類に分けて考えるフレームワーク
スペースシップ以前に椎葉が経営していたアルトビジョンという会社ではメールマーケティングをメインの事業としていたこともあり、個人的にも非常に思い入れのあるテーマだ。
まずは、アルトビジョン時代に用いていたフレームワークを紹介しよう。
ここで言う「プログラム」というのは「番組」だと考えていただければと思う。テレビでは、ニュース、スポーツ、バラエティ、歌、料理などの番組があり、それらが組み合わせて放映されるが、メールコミュニケーションも、複数の「プログラム」から成る、と考えることができる。
プログラムは、「ベース」「スポット」「フォロー」の3つに大別でき、それぞれの目的や内容を考えて、バランス良く組み合わせよう、というのがこのフレームワークを活用する際の要点だ。
LINEなどメール以外のチャネルも含めたMA時代のフレームワーク
今でも上記の考え方は有効だとは思うが、メールマーケティングを取り巻く背景もかなり変化したこともあり、コミュニケーション設計のフレームワークをアップデイトした。
それが、以下の「配信目的」と「配信トリガー」を軸としたマトリクス型のものだ。
配信目的として、ユーザーとの関係を強化していく「エンゲージメント」と、商品やサービスの購入へと導く「コンバージョン促進」とし、配信トリガーとして、「企業側の計画/イベント」を起点とするものと、「ユーザー側の行動」を起点とするものとした。
ユーザー側の行動ドリブンのプログラムというのは以前のフレームワークで言うところのフォローメールだが、オペレーション上の問題でなかなか取り組めなかった施策がMAを活用することで自動化できるようになり施策の幅が大きく広がった点が最近の状況だ。
また、この4象限に分類することにより、LINEなど他の施策との役割分担も考えやすくなる。
最後に、新旧のフレームワークの関係を整理しておこう。
ぜひ現状で御社がメールやLINEで提供しているプログラムまたはコンテンツをマッピングし、さらに強化できる部分がないか検討していただきたい。
記事執筆者プロフィール
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株式会社スペースシップ 代表取締役 椎葉 宏(Hiroshi Shiiba) 京都大学経済学部卒業後、アンダーセン・コンサルティング(現アクセンチュア)戦略グループ、ネットエイジ(現ユナイテッド)事業開発担当執行役員を経て、2000年11月にアルトビジョン(2012年に3社統合し、現チーターデジタル)を設立。アルトビジョンでは、各業界トップレベルの企業のメールマーケティングを、戦略、クリエイティブ、オペレーション、システムの各面から支援。2013年4月より、スペースシップにおいてデジタルマーケティングの戦略立案から実行支援までを行っている。 |
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