インフルエンサーマーケティングで考慮すべきこと

2019/03/01
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文:椎葉 宏

ソーシャルメディア全盛の時代となり、企業やブランドから直接発信される情報に対して、生活者が発信する情報の影響度が相対的に強くなっている。
今回のコラムでは、上記のような状況を踏まえてますます注目を浴びるようになってきた「インフルエンサーマーケティング」について考察してみたい。

量と質と熱量と

例えば、ある新商品のモニタープレゼントを1,000名に行う場合、できるだけ影響力の強い方にモニターをお願いしたい、と思うのは自然なことだろう。

では、TwitterでもInstagramでもフォロワーの多い人にお願いするのが良いのだろうか?

もちろんフォロワー数というのは重要な指標ではあると思う。しかし、TV広告やバナー広告などと同じように、その人のフォロワーの中に新商品のターゲット層がどの程度含まれているかということを考える必要がありそうだ。

もしその新商品が女性向けの化粧品だとすると、同じフォロワー数だったとしても、「フォロワーの多くが男性ファンであるアイドル」よりも、「多くの女性が憧れてフォローしている女優」の方がより高い効果を見込むことができそうだ。

そのためには、過去の投稿に対するフォロワーのコメント内容に目を通すなどして、投稿者とフォロワーとの関係や、投稿者がフォロワーに対して持っている期待などを見極めるべきだろう。
つまり、フォロワーが10万人いたとしても、その10万人とどのような関係性なのかという質的な評価を行う必要がある。

ここで注目した投稿者とフォロワーとの関係性以外にも、さらにもう1つ注目すべき部分がある。

それは、ブランド/商品とインフルエンサーとの結びつきの強さだ。

インフルエンサーが、もともと大好きなブランドで、すでに商品を愛用していたり、または、インフルエンサーが美容の専門家で、オススメの商品として紹介したりする場合には大いに効果が期待できそうだ。

LDHの長瀬さんは、以下の記事で、この結びつきの強さのことを「熱量」という言葉を用いて説明されている。

・「量から質、そして熱量へ」
LDH CDO 長瀬次英氏が語る、インフルエンサーマーケティングの新基軸(2019/1/9)
https://digiday.jp/brands/hot-topic-comparing-the-essentials-of-influencer-measures-with-thermodynamics/

良いインフルエンサーの条件とは、「ブランドとの結びつきが強く(=熱量があり)、ブランド/商品についてターゲットに対する影響力を持つ」ということになりそうだ。

図1. 良いインフルエンサーの条件

(※画像クリックで拡大)

インフルエンサー? アンバサダー? アドボケイツ?

さて、上で「インフルエンサー」という言葉を使ったが、インフルエンサー(influencer)は、もともと「影響力のある」というinfluenceから来ている。なので、図2のように、ターゲットへの影響力が強い人を「インフルエンサー」と考えることができる。

図2. インフルエンサー

(※画像クリックで拡大)

では、「ブランドとの結びつきが強い」人は誰か?と言うと、一般的には「ファン」となるだろう。もちろん「サポーター」と言っても良いだろうし、NPS(Net Promoter Score)を導入している企業であれば「推奨者(Promoter)」とすることもできるかと思う。

図3. ファン / サポーター / プロモーター

(※画像クリックで拡大)

そして、その両方の条件を満たすセグメント、つまり、上では「良いインフルエンサー」と書いた人たちのことを何と言えば良いかだが、「アンバサダー」「アドボケイツ」の両方を併記しておく。

図4. アンバサダー / アドボケイツ

(※画像クリックで拡大)

「アンバサダー」については、アメリカでの使われ方と違うという指摘がある一方、「アドボケイツ」という言葉は、日本ではあまり浸透していないという状況もあり、なかなか難しいところだが、重要なのは、「インフルエンサー」の要素と「ファン」の要素とを併せ持った人(「アンバサダー」「アドボケイツ」)を見つけ、その人たちが喜んで活躍してもらえる場を作ったり、施策を打ったりすることが、インフルエンサーマーケティング、アンバサダーマーケティングを進めるポイントとなるということだ。

インフルエンサーマーケティング、アンバサダーマーケティングの成功事例もいろいろと出てきているので、またあらためてご紹介したい。

 

記事執筆者プロフィール

株式会社スペースシップ 代表取締役 椎葉 宏(Hiroshi Shiiba)

株式会社スペースシップ 代表取締役 椎葉 宏(Hiroshi Shiiba)

京都大学経済学部卒業後、アンダーセン・コンサルティング(現アクセンチュア)戦略グループ、ネットエイジ(現ユナイテッド)事業開発担当執行役員を経て、2000年11月にアルトビジョン(2012年に3社統合し、現チーターデジタル)を設立。アルトビジョンでは、各業界トップレベルの企業のメールマーケティングを、戦略、クリエイティブ、オペレーション、システムの各面から支援。2013年4月より、スペースシップにおいてデジタルマーケティングの戦略立案から実行支援までを行っている。

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