前回の記事では、Zoomを活用してオンラインセミナーを実施するには、無料アカウント利用と有料オプション申込の2つの方法があること、また、両者の違いは何かということについて解説した。

今回は、オンラインセミナーの効果を最大限に発揮するための方法について説明したい。

Zoomだけを活用する場合の限界

前回の記事で解説した通り、Zoomだけでもオンラインセミナーを開催するために必要な機能は用意されている。

無料アカウントと有料オプションのセミナーフロー

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ただし、マーケティング効果を上げるためにはもう少し欲張りたい部分が出てくる。
もともとZoomのメイン機能はビデオコミュニケーション部分であり、メイン機能以外にマーケティング視点でのさまざまな機能をZoomに期待するのは酷かもしれないが、Zoomの機能(2020/7時点)ではできないことを挙げてみよう。

・配信メールの柔軟なカスタマイズ
申込完了メールやリマインドメール(有料オプション使用時)は、テキストメールのみであり、画像を使用できデザインの自由度の高いHTMLメールを利用することができない。
そのため、テキストレベルでのカスタマイズは可能ではあるものの、訴求力やブランディング効果が弱い。

・メールの配信結果確認
メールの配信履歴が残らないため、メールがエラーとなっていないかを確認することができず、参加希望者の取りこぼしが発生する可能性がある。

・事前キャンセルの管理
申し込んだセミナーを事前にキャンセルするための機能がなく、セミナーを開始してからでないと参加者数を把握することができない。
参加者数に限りがあるリアルな会場でのセミナーではないので、Zoomとしては重要な機能ではないと判断しているかもしれない。

・セミナー後のフォロー機能
セミナー実施後に申込者や参加者に対してコミュニケーションを行う機能がない。
ただ、見込客の獲得のみならず、育成、顧客化をミッションとするマーケティング担当者からすれば、セミナーで得られたリードのナーチャリングを行う必要があり、セミナー参加者へのアプローチは必須だ。

これらZoomの限界を克服するために、Zoomとメール配信システムやMAツールとの併用をお薦めしたい。

Zoomとメール配信システムとを連携したセミナーフロー

メール配信システムには、フォームの作成やDB管理などの機能に加え、フォローメールの設計も自由に細かく行うことができるものも多く、リードナーチャリングには欠かせないツールとなっている。
また、メールの配信履歴もわかるため、エラーとなった配信先に対して自動で複数回再配信を行うこともでき、手間をかけることなくリードの取りこぼしを防ぐことができる。
さらに、視覚効果が高くわかりやすいHTMLメールを配信することも可能だ。

Zoomとメール配信システムとを組み合わせた場合、フローは下図のようになる。

Zoomとメール配信システム併用時のフロー

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Zoomだけを利用する場合と異なり、すべてのステップをカバーすることができるものの、オンラインセミナーへの参加状況やセミナー中のエンゲージメントについてはメール配信システムと連携させることができないため、Zoomでデータを取得した後、メール配信システム上で管理しているリストに対して直接手を加える必要がある。

セミナー開催頻度がそれほど高くなく、参加者の人数も多くない場合は、リストに手を加えてもそれほどの手間はかからず、Zoomとメール配信システムとを組み合わせることで手軽にリードナーチャリングに活かすことができるだろう。

ZoomとMAツールとを組み合わせ、効率化と効果向上を同時に実現

見込客・顧客情報全体を管理するMAツールやSFAツールとZoomを組み合わせることも可能だ。
Zoomでは、Marketo、Eloqua、Pardot、Salesforce、Kaltura、Panoptoなどとの連携が簡単にできるようになっており、連携の結果、以下のようなメリットが生まれる。

・データを一元化できる
「応募者リスト」「参加者リスト」「Q&A」「エンゲージメント」などZoomで出力できるデータが自動でDBに反映されるため、手間を格段に抑えることができる。

顧客データと営業担当者データとが紐づいて管理されているMAツールを使用すれば、営業担当顧客がオンラインセミナーに応募したかどうか、セミナーでどういう疑問を持ったかという情報をMAツールから自動で営業担当者に知らせることも可能となる。

・オンラインセミナー開催のコスト削減
オンラインセミナー開催で必要となるフォームやメールなどのアイテムをテンプレート化してしまうことで、同じ形式のオンラインセミナーを何度も開催する場合には、大幅に工数を削減することが可能だ。

以上のように、ZoomとMAツールとを併用することで、オンラインセミナーを開催するためのすべてのステップにおいて、手間を省きつつフォローを細かく行えるようになる。

ただし、注意が必要なのは、現時点でMAツール未導入の企業だ。
MAツールの導入は企業のマーケティングから営業活動の全体をサポートするためにこそ行うべきもので、オンラインセミナーのためだけにMAツールを導入するのはコストも手間もかかり過ぎてしまう可能性が高いだろう。

すでにMAツールを導入しており、今後、オンラインセミナーを定期的に行っていく目途(めど)が立っている企業についてはZoomとMAツールの併用をぜひともお薦めしたい。

以上のように、Zoomだけでなくメール配信システムやMAツールを併用することで、コストを減らしながらも効果的なマーケティング活動を行うことができる。

ただし、
・オンラインセミナーを開催する目的
・オンラインセミナー開催後のアクション
・今後のオンラインセミナー開催予定
・現状利用できるメール配信システム/MAツール
などは、企業ごとに異なるだろうから、それらを十分に考慮してフローの構築を進めていただければと思う。

株式会社スペースシップではシステム選定はもちろん、ナーチャリングシナリオ作成メール企画・制作メール配信オペレーションなどのご支援が可能ですので、オンラインセミナーを活用したマーケティング強化でお困りのことがありましたら、ぜひお問い合わせください。