文章を書くことを仕事にしているコピーライター、著者、編集者などにライティングスキルが求められるのは当然だが、一般のビジネスパーソンにとってライティングスキルはあまり重要でないかというとそんなことはない。
ビジネス上のコミュニケーションは、旧来の対面(最近はビデオ会議が増加)や電話などに加え、メールやチャットなどテキストで行うことも多くなってきており、適度に整理され読み手にとってわかりやすい文章を書くことは、仕事をスムーズに速く進めることにつながっている。
誰しも、よくわからない内容のメールを受け取って、仕事の手が止まってしまったり、確認のために時間が掛かってしまったりという経験はあるだろう。
そうなると、今やライティングはすべてのビジネスパーソンに求められる普遍的なスキルと言え、一人ひとりが意識的にスキルを身に着け磨いていく必要があるだろう。
今回はわかりやすい文章の書き方について、10のコツを挙げて解説したい。
わかりやすい文章を書くポイント
わかりやすい文章を書くには、以下の10のポイントを押さえることが重要だ。
1.目的を明確にする
目的というと大げさに聞こえるが、「文章を読んだ人に~してほしい」というこちらの希望を念頭に置いてライティングする。こうすることで、話の脱線を防げる。コンテンツを読んだユーザーが、何かしらの意思決定やアクションを起こせるようにする。
2.伝えたいこと(主張)を明確にする
伝えたいことを明確にするには、まず大きなテーマを分解し一つひとつ順を追って説明する。また、内容は具体的であればあるほど良い。結果的に解決法や答えにたどり着けない抽象的な文章は、読み手にとって価値のないものとなってしまう。
章立ての流れは多数あるが、ビジネスシーンでは「結論(Point)→理由(Reason)→具体例(Example)→結論(Point)」のPREP法がよく用いられる。
〈例〉結論→理由→具体例→結論
- 結論
- ライティングスキルはビジネスパーソンにとって重要だ。
- 理由
- なぜなら、メールやチャットなどテキストでのコミュニケーションが増え、わかりやすい文章を書くことがスムーズな仕事の進行につながるからだ。
- 具体例
- よくわからない内容のメールを受け取ると、仕事の手が止まったり、確認に時間が掛かったりする。
- 結論
- 今や、ライティングはビジネスパーソンにとっての普遍的なスキルだ。
3.何について話しているか初めに書く
読み手にとって1番の関心どころである「主語」は、文の初めに登場させる。最後まで読まないと何について話しているかわからない文章は、読み手に負担を与える。
〈例〉
×普遍的スキルであり、意識的に身に着けるべきはライティングだ。
○ライティングは、普遍的スキルであり意識的に身に着けるべきだ。
4.句読点を意識する
だらだらと長い文章は読みにくいため、適度に区切り、かつ流し読みしやすいように整える。どうしても長くなってしまう場合は、一度すべてを書き出してから句読点を用いて区切っていくと良い。
必要に応じて、箇条書きにするのも一つの手だろう。
5.不要な語句は省く
不要、もしくは、もっと短く言い換えができる語句は、省くと良い。これを実践すると、ただリズムを取っているだけの省いても意味が伝わる語句が意外に多いことに気づく。
〈例〉
×まとめ記事などのライティングをすることができます。
○まとめ記事などのライティングができます。
6.同音異義語に気をつける
似た単語の連続利用は、読み手を混乱させるため避けた方が良い。
〈例〉
×ライティングスキルを磨いたことにより、より仕事の幅が広がった。
○ライティングスキルを磨いたことにより、さらに仕事の幅が広がった。
7.修飾語の位置に気をつける
修飾語は被修飾語に近づけた方がわかりやすくなる。
〈例〉
×正しくこの方法で整えることができた。
○この方法で正しく整えることができた。
8.二重表現に気をつける
二重表現は話し言葉ではあまり気にならないが、文章にすると違和感が出る。
〈例〉
×後で後悔する
×被害を被る
×車に乗車する
×未だに未解決
9.ら抜き言葉や誤字脱字に気をつける
これらは校正ツールでもチェックできるので、必要に応じて活用する。
10.自然に読めるか確認する
書き終えたら、時間を置いて読み返す、声に出して読むなどして、自然に読める文章となるよう調整する。
以上、10のポイントをご紹介したが、いかがだっただろうか。
ライティングスキルを上達させる術は多数存在する。しかし、「わかりやすい文を書けるようになりたい」と考えている方にとっては、この記事の内容を意識するだけでも違いが出てくるだろう。
対面でのコミュニケーションが減り、テキストでのコミュニケーションの重要性がますます高まってきている今、ライティングスキルを強化することで、仕事をよりスムーズに進めていただければと思う。
また、ライティングスキルは、もちろん顧客・見込客とのマーケティングコミュニケーションにも活用できるものだ。
MarketingBaseを訪問された皆さんの中には、ウェブサイト、メール、ブログ、ソーシャルメディアなど各種デジタルメディアでのライティングに携わっている方も多いだろうから、デジタルメディア上のコンテンツ制作の際にもぜひご活用いただきたい。
スキルアップのための練習方法とオススメ記事紹介
ライティングスキルに限らず、物事を上達させるためには「実践」「改善」の数を重ねるに越したことはない。その中でもいくつかのことに気をつけながら、ライティングのトレーニングをすると良い。具体的な練習方法とオススメの記事、書籍を挙げるので、参考にしてほしい。
〈練習方法〉
・ライティングに関する書籍を読み、論理展開、ルール、表現方法を把握する。
・上手な文章を書き写し、調子を体で覚える。
・PREP法を使い、とにかく論理展開を意識してライティングする。
・意図と目的をもってライティングする。
〈オススメ記事〉
・おもしろい文章は「共感8割、発見2割」
・「読みやすい文章」のたったひとつの条件
〈オススメ書籍〉
・『10倍速く書ける 超スピード文章術』/上阪 徹/ダイヤモンド社
・『文章力の基本』/阿部 紘久/日本実業出版社
・『新しい文章力の教室』/唐木 元/インプレス
次回は、デジタルメディアにおけるライティングのポイントを紹介していく。
- キーワード選定、記事テーマ抽出
- コンテンツ企画・制作
- ライター選定、記事編集
- ウェブサイト構築・運用
などのご支援が可能です。
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